安川城
安川城は、富山県砺波市にあった城郭です。
『越中古城記』によれば、長禄年間(1457~60) 後花園院皇子・淳良親王が安川に滞在したときに、黒田太左衛門尉を般若野荘の荘官に任命しましたが、太左衛門尉は横暴を振るい悪党を従え安川城に籠ったといいます。ただし、淳良親王は伝承上の人物です。当時、般若野荘を治めていたのは公家の徳大寺実淳であり、荘園経営の立て直しのため文明六年(1474)に同地に下向しています。また、実淳の孫・実通は、天文十年(1541) 同地を視察中に殺害されました。背景には荘園の領主と地頭の対立があり、それが越中古城記の伝承となったと考えられます。別の記録では、太左衛門尉は長尾為景によって落命したといいます。これらの伝承から、安川城は鬼ヶ城とも呼ばれてきました。
城は、砺波平野の東縁に位置する標高197メートルの城山に築かれました。城山は、周りを深い谷に囲まれた要害の地です。山頂に主郭を置き、北に伸びる尾根の上に出丸を置いています。
城跡へは、国道359号線三合交差点を東へ曲がり、約2.3km進んで東別所集落に入ったところで右のわき道に入ります。さらに500メートル進んで右折すると間もなく登城口です。それぞれ案内標識はありますが、小さいので見落とさないようにご注意ください。
城跡見学用の駐車場は特にありません。登城口付近に路上駐車できなくもないのですが、路肩もなく少々気が引けたため、登城口から西へ約200メートルにある交差点付近が道が広くなっており、そこに駐車しました。
➢ ①登城口
案内標識が目印です。
しばらく登城道を登ります。
➢ 横堀?
途中、横堀らしきものを発見。
➢ 切岸
切岸が目の前に現れました。山頂が近づいてきたのでしょう。
➢ 切岸上の曲輪
倒木が行く手を阻みますが、強行突破。
➢ ②北出丸
主郭と対をなす峰の上にあります。
北出丸と主郭の間は尾根道で接続されています。
➢ ③主郭
主郭手前は空堀で仕切られており、斜めに土橋が通されています。
主郭内部に到着。登城口からここまで20分弱です。
主郭部南端に一段低く副郭があります。この下に堀切があるようですが、下りる道がわからず確認できませんでした。
(訪問日 2018年6月8日)
➣ アクセス情報
チェックマークは登城口
● 住所 | 富山県砺波市安川 |
● 交通 | (登城口まで) 北陸道・砺波ICより国道359号線経由12㎞ |
● 駐車場 | なし |
チェックマークは登城口
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