飯高城
飯高城は、千葉県匝瑳市にあった城郭です。
日本城郭大系によれば、匝瑳北条庄の領主であった平山刑部少輔は、日蓮宗への信仰が厚く、天正年間、居館内に寺院を建立し、城地のすべてを寄進したと伝わります。この平山刑部少輔がどのような人物であったかは不明です。
天正八年(1580) 教蔵院日生によって開かれた寺院は、天正十九年(1591)に徳川家康から寺領三十石の寄進を受けました。慶長元年(1596)には初代化主(壇林長)蓮成院日尊の代に講堂が現在地に建てられ、壇林(学問所)の基礎が確立しました。その後江戸時代を通じて、飯高壇林は日蓮宗の学問所として多くの学僧を輩出しました。
城は、九十九里浜から内陸へ約10km、丘陵と低地が複雑に入り組んだ場所に築かれました。標高36メートルの半島状の台地に曲輪を並べた連郭式の縄張りであったと推測されます。
城跡は、JR八日市場駅から北方約5kmの場所にあります。八日市場駅周辺から県道16号線を北に進むか、成田空港周辺から国道296号線を東に進みます。城跡にある飯高壇林が目標となります。駐車場は城跡の北および南にあります。
➢ 堀切
総門向かって左側にありました。
➢ ①総門(重要文化財)
現在の門は、天明二年(1782)建造です。
➢ ②南郭
台地の南端に位置する曲輪
周囲には一部土塁が残っています。
主郭と南郭の間の堀切
➢ ③主郭
現在講堂のある場所が主郭と推測します。主郭内は段差や土塁により分割されています。
主郭内に残る土塁
見事な杉並木。左下の建物は、題目堂(重要文化財)です。
➢ 鼓楼(重要文化財)
講堂に学徒を集めるために太鼓が鳴らされました。
➢ 鐘楼(重要文化財)
➢ ④講堂(重要文化財)
現在の建物は、火災で焼失後、慶安四年(1651)に再建されたものです。
➢ ⑤北郭
台地の北端、土塁で囲われた場所にあります。
虎口
北郭内部。あまり手入れがされておらず、寺の境内でもあるので、探索はしませんでした。
➢ 水門坂
講堂から東へ下りる坂。壇林が造営されたのちに設けられたものでしょう。
(訪問日 2018年5月4日)
➣ アクセス情報
チェックマークは飯高壇林南駐車場
● 住所 | 千葉県匝瑳市飯高 |
● 交通 | (飯高壇林駐車場まで) 東関道・富里ICより国道296号線経由24㎞ |
● 駐車場 | 飯高壇林駐車場(無料:上記地図 'P' の地点) |
チェックマークは飯高壇林南駐車場
➣ 飯高寺(匝瑳市役所サイト)
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